FC2ブログ

ひみつ





携帯で短い小説紛いのものを書いたので、なんとなくのせてみる。







―――――――――――――――――――


歌を歌っていた。
人のいるところから遠く離れたところで。
山が空を切り分けている風景が見える場所で。
風は私が遥か見下げた方にある草木を通り抜けて丘をのぼり、耳元を、ふわり、と心地よく撫でた。
それになびく足元の穂がくすぐったくて、思わずそれを踏み倒す。
カサ、と、音は浮いて、風に呑み込まれていった。




…………




ここには誰もいない。誰もこない。
私はそう信じてきた。そんな思い込みは今も変わらず続いている。



「…さみしいと思ったことはないの?」



私は「ぶんしん」をつくって、私の気持ちを引き出す。



「ないよ。」



私は妙に切れのある声で答えた。
余計なものは内側から剥がれ落ち、ほとんど空っぽの心。
「さみしさ」とはまた違った静かな意識。
こういう世界の悟り方もあるんだな、と、初めの頃は思ったっけ。



風に乗る、雲と声。
遠く見える赤い水平を見つめて、少しかさを増した私の心。





あれ?今、私






…ふと、なにか別の音が立つような感覚が耳を突いた。



「……誰っ?」



振り向き様に声を投げかければ、そこには低い月が浮かぶ空しか見えない。








……誰も、いなかった。









私はホッとため息をついたけれど、
気づいて、またすぐ不安になった。



私は今、誰に話しかけたんだろう…?



私がここにいる間というもの、本当に私以外の誰かが来たことはなかった。
それをいいことに、私は歌を歌い続けていた。
私の歌を、私以外、誰一人として聴いたことがなかった。
いつまでもこうしていたく、いつまでもこうしていたというのに、
どうして今、気づいてしまったのだろう。
私は今、誰に話しかけたんだろう…?
……いや、誰に話しかけて欲しかったんだろう…?




私しか知らないこの世界に消えてゆく、私の歌声。
この世界しか知らない私を、受け入れてくれる世界。
それはとても心地よくて、ありがたかったことだけれど…。







………もし、あの水平の向こうに、
たくさんの人と、
たくさんの歌と、
たくさんの風景があるとしたら。




こんなちっぽけな箱の中で小さく歌っていた私は、
いったいなんの意味があったの?







そう思ったとき、私は、




私が「さみしい」ことに気がついた。



―――――――――――――――――――










と、まぁ、特に意味はなく書いてみただけです。







最近こえ部のお友達に薦めてもらった「FRAGILE」という廃墟探索RPGをプレイしています。中古で買いました。



紹介してもらったとき、すでに音楽と世界観で惚れました。泣きそうになりました(ぇ





現在進行形でストーリーを進めていますが、いいですね。あのノスタルジックな感じがなんともいえない。





キャッチコピーは、



「この星は、こんなに広くて
 世界中には、こんなに人があふれているのに
 『ぼくはどうして一人ぼっちなんだろう』
 と、考えてしまう、すべての人へ」



です。気になった方はぜひググってみてくりゃれし。







では、お粗末さまでした。
スポンサーサイト

■ Comment

非公開コメント

プロフィール

椋

Author:椋
たびと、っていいます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
今まで徒然て来た方。
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード